人間 (子供) Enfants


うたたね Sieste


ギャラリーで牧牛先生の人形を見ている人から「おどける」、「福々しい」、「安らかな気持ち」、「無垢の」、「にんまりする」、「ユーモラスな優しさ」、「ほとけ心」と言った表現をよく聞きます。最もよく聞かれるのは「可愛い」です。

確かに「可愛い」です。でも、この形容詞を使うのはやめてもらいたい。日本語の表現力の貧しい私さえ、この「可愛い」で全てを済ますことが出来ない。「可愛い」、「ちょう可愛い」を聞くと腹が立って許せない。

でももっと腹が立つのは、先生の人形について、作った本人が一度も考えたことも思ったこともないことを、格好を付けて、インテリっぽく述べる知性の特にすぐれてもいない人。

鎌倉の陶芯ギャラリーに入った4・5歳の女の子が左の作品と同じ物ををじっと見て、じっと見つめて、言ったこと。

「お母さん!この子、弟がねんねしている時と同じくらい気持ちがいい。」

この子が何から何まで分かって、正確にかつ簡単に、一つの文章で全てを語った。

インテリの皆様、この子に見習って下さい。

 


あっち向いてホイ! Suis mon doigt

 

この作品は2003年9月、先生に頼んで作ってもらいました。初めて作ったとは思えないくらい完成度の高い作品です。クリスマスの日、初めて目にした時、右の子供の表情を見て、思わず大笑いをして言ったのは:「なんっちゅう情けない顔だ!」。3ヶ月たった今も、見ると、やっぱり「なんっちゅう情けない顔だ!」

見れば見るほど、他の表情を想像することは出来ません。それしかないです。それ以外、考えられないし想像も出来ません。考えれば考えるほど、牧牛先生は「どうやって、こんな顔を作られたのでしょう?」と疑問に思います。

その子供の立場に立って、鏡の前でその表情でも作ったのでしょうか。そして、自分の顔を見ながら、捏ねた土に竹の棒で形付けたのでしょうか。それだったら、これも笑えるでしょう。

こんな顔の牧牛先生を一度でいいから見てみたいものです。

「あっち向いてホイ」は日本の子供の遊びの中で「大富豪」と並んで最も好きなゲームです。母国には「あっち向いてホイ」はありません。個人主義の強いフランス人にとっては許せない遊びでしょうね。だって、自分の意志に反意して、人の言いなりになるなんて!そんな事を思わないで楽しめる日本人はいいですね。
でも日本特有の遊びではない。アフリカにも同じような「ゲーム」はあります。

セネガルに行ったとき、首都ダカ-ルの西にある小さなゴレ島を見学することになって連れていってもらいました。昔、アメリカ行きの船が到着するまでアフリカ各地域から集めた奴隷達を一時的に「保管」していた島です。今はその島の港には観光客目当ての出店が沢山並んでいます。売られているのは、黒檀材のお土産、色鮮やかな民族衣装のブーブーや色々なアクセサリーです。この島の奴隷売買の暗い過去を見せられて、一刻も早く痛んだ心を冷やそうと思って港へ戻って、フェリーが出るまでに冷たいジュースでも飲もうと考えて、喫茶店のテラスに向かっていた、その時でした。

二十歳前後の黒檀より黒い肌の兄ちゃんがくりっとした目で10m離れたところの真正面から、いきなり私を見据えました。そして、何の警告もなく、格好よく、真っ直ぐ伸びた逞しい右腕を私の目に向けて指さした。どういうことがわからなくて2~3秒間、私はフリーズ状態になった。アフリカのカンカン照りの太陽も消えて、世界が彼の指先に縮んだようになった。

そして、彼が人差し指をゆっくり動かしました。彼の指につれられて、私の目はゆっくり動いた。その強大な動きが止まった時、私の目も止まった。目先には、さわやかな色のブーブーがありました。彼は微笑んだ。全世界のすべての知恵で溢れているようなスマイルで。

5分後、買った2着のブーブーを持って、魔法にかかったまま喜んで港へ向かっていました。

畳の上での長い生活のお陰で、強い個人主義を失った私はこのお見事な「あっち向いてホイ!」に完全に負けました。それも気持ちよく。セネガルの思い出はゴレ島の奴隷の牢獄(檻)と彼の魔法の指先だけです。

最後に、「あっち向いてホイ」の「ホイ」のことですが、まったく無意味ながらとても重要な単語ですよね。だって「ホイ」のない「あっち向いて」は、結構「セクシー」と感じ...ませんか、皆様?

「あっそう!私だけですか。」 と...右の子供の表情をしている安道礼より。


汽車ぽっぽ Train-Train

 

「汽車ぽっぽ」は英語で「choo-choo train」と言うんだ!

「そんな!誰だって知ってますよ!」

ときめきを運ぶよ Choo choo train

「それって!違うよ!」

 

 

 


うでずもう Bras de fer

 

「負けるもんか!」
「勝たせるんもんか!」
「.....」
「ね!にらめっこできめようよ!」


相撲 Lutte de sumo

 

「みはって、みはって、相手の顔を良く見合って、はっ...」

 

「バタッ」


「待った!...そんな!気を失うな!」


つなひき Tir à la corde

 

「ひくぞう、ひくぞう!

 

相手も引く像!」


きもだめし Courageux ?

 

を決めてよ!」
「だって、ががたがた震えて、脂汗が出て、が真っ青になって、を抜かしそうよ!」
「まぁ!肝っ玉の小さい奴だ!俺って、が据わっているから何があっても大丈~~夫だぁ~~」
「ほら!とは違うんだ!」


餅つき Mochi

 

 

 甲賀郡水口町杣中の「おこないの餅つき歌」
きねで餅つきゃ 天上までとどく
 コラ 天上までとどく
アー それがくわりょうか
コリヤ すすくそうておもしろや
おもしろやの ヒョウタンエ
  コラ  ヨイソラ
 ハー ヨイソラ  ハー ヨイソラ

 

                                                
新バージョン by 安道礼 「おさない餅つき歌」
きねで餅つきゃ  天井までとんだ!
 コラ!  天井まで飛ぶな!
 アァー 餅がくっついたわ!
コリヤ  落ちてこんでおもしろや
 どうしたらいいの  腹減ったぜ
 コラ  ヨイソラ
 ハー ヨイソラ  ハー ヨイソラ

 


なわとび Saut à la corde

 

1960年代バーション
「お嬢さん お入んなさい 回してあげましょう 一回、二回、三回...ありがとう」


1980年代バーション
「郵便屋さん お入んなさい 拾ってあげましょ 一枚、二枚、三枚...ありがとう」


2004年新バーション
「ハゲさんよ お入んなさい 付けてあげましょう 一本、二本、三本...足りないぞ」 

 

 


童達 Enfants